移動体通信を行うならば無線通信によらざるをえないが、そうでない固定地点の間の通信を行おうとする場合には、有線通信と無線通信のいずれもが選択肢となる。それぞれの場合に要する費用について端的に述べれば、有線通信の場合には回線の長さに応じて費用が積みあげられるが、無線通信の場合には、送受信の設備の数に応じて費用が積み上げられることになるため、長距離の通信においては無線通信のほうが安価になるとの側面がある。一方で、有線通信の場合には回線交換のための交換機を用いて(同一通信網内で)複数の通信を確立することが多いのに対して、無線通信の場合には、個々の送信機及び受信機において周波数や変調により区別することで複数の通信を確立する手法がとられ、その数は有線通信の場合の交換機の数を上回る。交換機と送信機及び受信機との価格(または、それぞれの場合において必要とする端末等までをも含めた価格)を一般論で比較することは非常に困難であるが、1990年代頃までの価格情勢において電気通信事業者がサービスを提供するという前提で述べれば、通信の起点や終点(回線へのアクセスポイントと表現されることもある。)の密度が高い場合には有線通信が安価であったといわれている。 |